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2024.11.12

補聴器の補助金とは?補助金の種類と申請方法(2024年版)

「最近、聞こえづらくなったと感じていませんか? 会話に集中するのが難しくなったり、テレビの音量が大きくなったりしていませんか?」加齢や病気などによって聴力が低下すると、日常生活に支障をきたすことがあります。補聴器は、聞こえをサポートしてくれる便利な機器ですが、高価なものが多く購入をためらってしまう方もいるかもしれません。しかし、ご安心ください。 実は、補聴器の購入費用を補助してくれる制度がございます。この記事では、補聴器の購入に利用できる補助金制度の種類や申請方法について解説していきます。自分に合った補助制度を見つけてください。

1章目:補聴器の主な補助金制度

補聴器の購入費用を支援する補助金制度は、いくつか種類があります。

令和6年度に申請可能な主な制度は以下の通りです。

  • 自治体独自の助成制度
  • 補聴器購入と医療費控除
  • 障害者総合支援法による補装具費支給制度

自治体独自の助成制度

市区町村によっては、独自の助成制度を設けている場合があります。対象年齢や所得制限、支給額などは自治体によって異なります。お住まいの自治体のホームページや窓口で確認してみましょう。

補聴器購入と医療費控除

専門の耳鼻科医を受診することで医療費控除を受けられる可能性があります。ただし医師の診断のもと、診療や治療を受けるために直接必要あると判断された場合に限ります。医師の診断を受けずに、自分で勝手に「耳が遠くなった」という理由で補聴器を買っても、医療費控除の恩恵は受けられません。補聴器購入の前には、まず耳鼻咽喉科の医師の診察を受けましょう。

障害者総合支援法による補装具費支給制度

身体障害者手帳をお持ちの方が対象となる制度です。聴覚障害の程度に応じて、補聴器の購入費用の一部または全額が支給されます。支給額は、所得や補聴器の種類によって異なります。

2章目:地方自治体における主な補助金制度

1章で紹介したように、近年は、補聴器購入に対して助成を行う地方公共団体も増えてきました。

令和6年度に申請可能な地方自治体の補助金制度の例として、以下の3つの地域を紹介します。

  • 東京都港区
  • 東京都中野区
  • 東京都世田谷区

 

東京都港区の補聴器購入費助成

対象者は下記全てに当てはまる方です。

(1)60歳以上の者又は区が実施する高齢者聴力検査の対象者。

(2)区が指定する医療機関(補聴器相談医在籍)の医師が、補聴器の装用を必要と認める人

(3)聴覚障害による身体障害者手帳の交付を受けていない人

 

補聴器購入額:上限137,000円

ただし、住民税課税の人は補聴器購入額の1/2(上限68,500円)

 

東京都中野区の補聴器購入費助成

対象者は下記全てに当てはまる方です。

(1)中野区に住所がある65歳以上の方

(2)世帯の全ての方が、前年の合計所得金額が350万円未満の方

※住民登録で同一世帯に含まれる方全員が審査対象です。

※1月から6月に申請する場合は、前々年の合計所得金額が対象です。世帯の中で、住民税及び所得税が未申告の方がいらっしゃる場合は助成できません。

(3)中等度難聴(聴力が40デシベル以上、70デシベル未満)と診断された方又は中等度難聴には当てはまらないが、耳鼻咽喉科の医師から装用が必要と認められた方

※ただし、高度難聴、重度難聴により障害者総合支援法に基づく補聴器購入費(補装具費)の支給を受けられる方や、過去5年以内にこの事業による助成を受けている方は対象外

 

助成金:両耳用に2台の補聴器を購入するときは、上限額を90,000円

(1台につき上限45,000円)

 

東京都世田谷区の難聴者補聴器購入費助成

対象者は下記全てに当てはまる方です。

(1)世田谷区に住所がある満65歳以上の方かつ前年の住民税が非課税世帯の方

(2)耳鼻咽喉科医師による診察の結果、次の2つに当てはまる方

・聴力レベルが40デシベル以上の方

・補聴器が有効だと認められた方

(3)身体障害者手帳(聴覚障害)の交付対象とならない方

(4)この事業の助成を受けたことのない方(1人1回限り)

 

助成額:50,000円以内(補聴器が50,000円未満の場合は、購入費が助成額になります。)

 

これらの例のように、自治体によって対象者や助成額が異なります。

お住まいの自治体のホームページや窓口で、最新情報のご確認をお願いいたします。

 

3章目:地方自治体における補助金の申請方法

補聴器購入補助金の申請方法は、制度によって異なります。ここでは、代表的な自治体の補助金の申請方法についてお話します。

 

1 市区町村の窓口へ相談 高齢福祉課で必要な申請書を取得してください。

2 医師の診断を受ける 専門の耳鼻科医に中等度難聴であること、補聴器の必要性があると認められた方は申請書下部「医師意見欄」の記入と聴力検査の結果(写し)を受けます

3 補聴器販売店で相談・見積書を取得 認定補聴器技能者が在籍する補聴器販売店で、相談、試聴を行い、購入する補聴器が決まったら見積書を取得します。 (意見書を持参してください)

4 申請書類を提出する 意見書と見積書を、市区町村の担当窓口に申請します。

5 審査・支給決定 申請内容が審査され、支給が決定すると「決定通知書」が交付されます。

6 購入 見積書を取得した販売店で補聴器を購入します。

※購入費から助成額を差し引いた自己負担額を販売店に支払います。

販売店への次の2つの書類(記入・押印が必要)を提出します。

必ず、各自治体のホームページや各自治体の窓口で詳細を確認し、申請手続きを行ってください。

4章目:補聴器購入時の医療費控除の条件と申請方法

補聴器の購入費用は、一定の条件を満たせば、医療費控除の対象となります。医療費控除とは、1年間にかかった医療費が一定額を超えた場合に、その超過分を所得から控除できる制度です。

医療費控除の対象となる条件

補聴器購入費が医療費控除の対象となるには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 医師の診断書があり、補聴器の購入が治療目的であると認められること
  • 購入者が本人または生計を同一にする配偶者や親族であること
  • 補聴器が、日常生活で使用するもので、医療機器として認められていること

医療費控除の申請方法

1 確定申告を行う 医療費控除を受けるには、確定申告を行う必要があります。確定申告の期間は、毎年2月16日から3月15日までです。

2 必要書類を準備する 確定申告に必要な書類は以下の通りです。

  • 源泉徴収票
  • 医療費の領収書(補聴器購入時の領収書)
  • 医師の診断書(補聴器購入の場合)
  • 確定申告書

3確定申告書を提出する 必要書類を添付して、税務署に確定申告書を提出します。確定申告は、税務署に直接提出する方法のほか、郵送やe-Taxを利用する方法もあります。

医療費控除の注意点

・医療費控除を受けるには、領収書を保管しておくことが重要です。

・医療費控除の対象となる金額は、年間10万円または所得金額の5%のいずれか少ない方の金額を超えた部分です。

詳しくは、国税庁のホームページや税務署にお問い合わせください。

5章目:身体障害者手帳の申請方法と補装具費支給制度の申請方法

難聴が高度・重度で、身体障害者の基準に適応する場合は、障害者総合支援法による補装具費支給制度を利用することができます。原則としては費用の1割を利用者が負担することとなります。

身体障害者手帳の申請方法

1 市区町村の窓口へ相談する お住まいの市区町村の担当窓口(福祉課など)で、身体障害者手帳の申請について相談し、申請書類を受け取る。

2 医師の診断を受ける 指定された医療機関で、聴力検査などを受け、身体障害者手帳の交付に必要な身障手帳用診断書を作成してもらいます。

3 申請書類を提出する 福祉事務所に身障手帳用診断書を届け、申請書類を書く

※ 印鑑・写真(たて4cm 横3cm)持参

4 審査・判定 申請内容が審査され、手帳の交付が決定すると、ご自宅へ通知書が届くので、印鑑を持参し身体障害者手帳を受け取ります。

身体障害者手帳に関する注意点

・申請から手帳の交付までには、1~2ヶ月程度かかる場合があります。

障害者総合支援法による補装具費支給制度の申請方法

1 市区町村の窓口へ相談 お住まいの市区町村の担当窓口(福祉課など)で、補聴器購入費の支給について相談します。必要な書類や申請方法などを確認しましょう。

2 医師の診断を受ける 専門の耳鼻科医に意見書を書いてもらってください。

3 補聴器販売店で見積もりを取る 補聴器販売店で、希望する補聴器の見積もりを作成してもらいます。(意見書を持参してください)

4 申請書類を提出する 意見書と見積書を、市区町村の担当窓口に申請します。

5 審査・支給決定 申請内容が審査され、支給が決定すると「補装具費支給券」が交付されます。(郵送で届きます)

6 補聴器の購入 「補装具費支給券」を持参して、補聴器販売店で補聴器を受け取ってください。

 

補聴器購入補助金の申請方法は、制度や自治体によって異なります。

必ず、各自治体のホームページや各自治体の窓口で詳細を確認し、申請手続きを行ってください。

 

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