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2019.8.16

補聴器のフィッティング(調整)が必要だとは聞くけれど、実際にどんなことをしているの?

補聴器を初めてご購入された方によく驚かれるのが、「最初の音合わせにこんなにいろいろやってもらえるの?」「買った後も何度も調整してもらえるなんて・・・」といったように、、お一人お一人に合わせてじっくり時間をとっておこなうフィッティング(調整)というサービスにおけるきめ細やかさです。

補聴器にはフィッティングが不可欠

これが補聴器と他の製品は大きく違う点でもあります。
同じように感覚を矯正する器具として、メガネがあります。
メガネの場合、購入時に視力測定をしてレンズを選んだら、フレームや鼻パッドを微調整して終わりです。特に違和感がなければ、その後頻繁にお店に微調整をしに行くようなことはありません。
似たような価格帯でサービスを要するものとしてあげられるのが、軽自動車やバイクです。
こちらも購入時、多少の手続きがあります。購入後はディーラーによる定期点検の案内や車検があります。
補聴器の場合、特に購入前と購入後しばらくは、頻回にフィッティングに来ていただく必要があります。もちろん、数ヶ月に一度のメンテナンスも重要です。
なぜ、そんな手間が必要なのでしょうか?

聴覚の感じ方は人それぞれ

聴力測定などで、その人が聞こえるもっとも小さい音を調べて補聴器の音合わせをおこなっていきますが、その人が快適だと思う音量、不快だと思う音量は同じ聴力レベルの人でもそれぞれ異なります。
いろんな要因が挙げられますが、難聴である期間が長ければ長いほど、音に対する感覚が健聴であった時に比べて変化しますので、大きい音に対する過敏さが見られることがあります。
補聴器の音合わせをする際は、この点を踏まえて一人一人細かな調整が必要なためフィッティングに時間がかかるのです。

試聴時・購入時におこなうフィッティング

処方式に基づいた初回フィッティング

私たち補聴器アドバイザーは、お客様の年齢、補聴器使用歴の有無、音に対する要望などをお聞きして、その方にふさわしい処方式を選んで聴力データを入力し、必要な音を作っていきます。この処方式はいくつかあり、どれも様々な臨床データを解析して作られた方程式のようなものです。ただ、万人に合うものはないため、いくつかの処方式の中からお客様に合わせて選択します。

耳せんやイヤモールド、シェルのフィット感も重要

試聴時にはいくつも種類のある既成の耳せんから、お客様に合うものを選択します。
購入時には、イヤモールドやシェル(お客様の耳の形を取って作ったオーダーメイド耳せんや補聴器本体)のフィット感を確認します。違和感があれば空気穴の調整をしたり、削ったりして修正していきます。場合によっては形の取り直しをします。
初回のフィッティングは、このような点に注目しておこないます。
音に対する細かい調整は初回ではあえておこなわないことが一般的です。
音への順応状況や、生活環境での使用印象を確認しながらのフィッティングの方がより効率が良いため、細かい調整は後日おこないます。

購入後におこなうフィッティング

購入後、自宅での使用状況などを伺いながら微調整していきます。
ここもお客様の訴えをよくお聞きし、引き続き順応していくことも踏まえて調整をおこないます。参考までに、よくある訴えと対応をあげていきます。

音が大きすぎる、もしくは小さくて聞き取りにくい

実際にどんな場面でうるささを感じたか、聞き取りにくかったか、などをお聞きして全体もしくは部分的な音量の調整をします。主訴に応じて強大音の調整、突発音(食器がぶつかる音など)の調整、言葉や会話に重要な周波数帯を調整していきます。

雑音がうるさい

どんな雑音かを具体的にお聞きします。不快な雑音は調整して下げます。
中には生活上必要な雑音(生活音ともいう)もあることをご説明し、下げずに慣れていっていただくためのアドバイスもいたします。

高い音がひびく

具体的にどんな音かをお聞きします。
難聴の種類や聴力が低下している周波数によっては、補聴器によって音を大きくしても歪んでしまうことがあります。これらの点を踏まえて、微調整をしていきます。この際、音を下げすぎると言葉の明瞭性が下がる場合があるので注意しておこないます。

その他オプションを活用する

お客様によっては、補聴器の使用が慣れた頃にリモコンの設定やプログラム設定(補聴器1台に複数の音モードを設定する)をします。聞き取りの時に後ろの雑音が邪魔だという場合は、指向性モードの設定をしていきます。

経年劣化に対応するメンテナンス

音の調整をするだけがフィッティングではありません。
補聴器のコンディションを良い状態で保つことも必要です。
店頭では定期的に補聴器のクリーニングをおこないます。
また、経年劣化した耳せんの交換、耳の形に合わなくなったオーダーメイド耳せんの作り替えにも対応します(別途費用がかかる場合あり)。

 

今回は補聴器のフィッティングについて、実際に何をおこなっているのかを簡単にご紹介しました。これ以外にもお客様のニーズに合わせて、臨機応変に対応しております。
ヒヤリングストアは完全予約制で、これらフィッティングの時間も十分に確保し、しっかり丁寧に対応させていただいておりますので、安心してお越しください。

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