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2019.6.17

より快適に聴くために・・・補聴器専用アプリ・リモコン・周辺機器・活用ガイド

補聴器のカタログを見てみると、補聴器以外のアクセサリーや周辺機器が掲載されています。補聴器本体のみならず、リモコン・アプリ、周辺機器を使いこなすことで、場面によっては今よりもいっそう聞き取りを向上させることも可能です。
今回は補聴器専用リモコンやアプリ、周辺機器を活用するための概要をお伝えします。

音量・音質の調整を手元で操作したい!

以前から補聴器にはボリュームやプログラム切り替えボタンが付いており、簡単な音量調節や音設定を変えることが可能でした。
しかし、補聴器本体にそのような部品がついており、その部品がとても小さいため、うまくコントロールできず、知らない間にボリュームが下がっていたり、プログラムボタンの切替えが行われていたり・・・ということもよくあることでした。
そこで誕生したのが補聴器専用のリモコンでした。

補聴器専用リモコンでできることは?

どのメーカーにも補聴器専用リモコンの取り扱いがあります。
メーカーによっては形状の違いなどで複数のタイプが用意されています。
主にできるのは音量調節・プログラム切り替え・ミュート(消音)となります。
価格は1万円代後半から4万円までと幅広いので、検討するときは店頭で機能や使い勝手を試してみてください。

スマートフォンの普及でアプリによるコントロールが可能に

スマートフォンをお持ちの方であれば、リモコンを購入しなくても、専用アプリをインストールすることにより専用リモコンと同様のコントロールが可能です。
こちらはほとんどのメーカーサイトから無料で入手できます。
ただし、対応できる器種が限られていますので、購入前に確認してください。

テレビの音を快適に聴きたい!

在宅時間の長い高齢者を中心に、「テレビの音を聞き取りたい」と希望される方が多くいらっしゃいます。一人でテレビを見ているのであれば、周囲を気にせずに自分の聞き取りやすい音量に合わせることも可能ですが、もし家族が同居している場合には「テレビの音がうるさい!」と言われてしまいます。
テレビにイヤホンをつないで視聴すれば、確かに聞き取りやすいかもしれませんが、スピーカーからは音が出なくなり、家族が困ってしまいます。

補聴器を装用することで、難聴になる前と同じぐらいの音量で聞き取ることが可能になります。これで家族と一緒にテレビが観られるようになりますが、それはあくまでもテレビが観やすい・聴きやすい位置に座ることができて、部屋の中に他に雑音がないことが条件になります。家族と一緒に暮らしている方は、他の人が台所仕事をしていたり、行ったり来たりしていると、そちらの物音が聞き取りの邪魔をしてしまうことがあります。

そこで開発されたのが、補聴器とテレビをつなぐ専用の機器です。有線でつなぐのはテレビと専用機器の方です。補聴器と専用機器は無線通信ですので、わずらわしさがありません。
しかも、その人の聞こえに調整された状態で耳に届きますので、イヤホンなどで聴くよりも音質が自然に感じられます。もちろん、テレビのスピーカーからは音が出るように設定されますので、家族一緒にテレビを楽しめます。価格はメーカーにもよりますが、2万円代後半ぐらいからあります。

スマートフォンによる電話や音楽を楽しみたい!

スマートフォンがさまざまな電化製品などと連携して便利になってきているのはご存知の方も多いと思いますが、補聴器もその一つです。
2019年6月現在、アップルのアイフォーンであれば、補聴器と直接接続して電話や音楽を楽しめます。補聴器に直接電話や音楽が届くことで、電話を耳に当てた時に発生するハウリング音も無く、周囲の雑音による音質の低下を回避できます。対応できる器種が限られていますのでカタログ等でご確認ください。アンドロイドアプリ(グーグル)の場合、各メーカー専用の中継器を挟むことによって、同等の機能が使えます。将来的にはアイフォーンのように補聴器と直接接続できるようになるようです。ちなみに、中継器の価格は3万円代〜5万円ぐらいかかりますので、毎日スマートフォンを頻繁に使用される方であれば検討してみても良いのではないでしょうか。

講演会での聞き取りや重要な会議の時にリモートマイクを使う

広い会場でスピーカー越しに演者の声を聴くことや、会議でさまざまな場所から声が飛び交う環境は、1対1の会話と比べて、音声がしっかり補聴器に届かないことが多く、反響音の影響も相まって、場合によっては聞き取りにくいことがあります。そこで役に立つのが「リモートマイク」という小型のマイクです。こちらも無線で補聴器とつながっています。
講演会の時は、演者の胸元のポケットに入れてもらうように依頼します。また、会議の時は円卓の中心にリモートマイクを置く、もしくは発言者にマイクを持って話してもらうようにします。ときおり、セミナーなどで補聴器を使っている難聴者がこのようなマイクをしてもらうよう演者に依頼している場面を見かけますが、ほとんどの人が快く協力していますので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。マイクの価格はメーカーにもよりますが、5万円前後となります。

 

今回は補聴器専用アプリやリモコン、周辺機器について概要をまとめました。
使用する前は「なんだか使いこなせるか心配…」という声も多いようですが、使いこなしているお客様に聞いてみると、「聞き取りがいい方が楽なので使う」「使っているうちに操作は慣れる」そうです。補聴器を使ってさらに聞き取りを向上させたい方は、ぜひ検討してみてください。

 

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