2024.11.28
補聴器の寿命(耐用年数)は何年?買い替えのタイミングや長持ちさせる方法も解説
「補聴器はどれくらいの期間使えるのか?」「買い替えのタイミングがわからない…」「一度購入したらずっと使えるもの?」そのようなご質問を、ご相談にいらっしゃるお客様からよくいただきます。補聴器はお安い買い物ではないからこそ、あらかじめ知っておきたい情報だと思います。少しでも長く、快適に使いたいと考えるのは当然のことです。
実は補聴器の寿命は、使用環境やお手入れ方法によって大きく変わります。この記事では、補聴器の寿命や買い替えのタイミング、そして長持ちさせる秘訣を、認定補聴器技能者や言語聴覚士の視点からわかりやすく解説します。適切な知識を身につけて、身体の一部である補聴器を大切に使いましょう。
補聴器の寿命(耐用年数)は約5年
補聴器の寿命(耐用年数)は一般的に約5年と言われています。もちろん、これはあくまでも目安ですが、テクノエイド協会の「補装具費支給事務ガイドブック」にて設定されています。「想定し得る通常の装用状態で使用した場合に、その補装具が修理不能となるまでの予想年数を目安として定めている」というのが耐用年数に対する同ガイドブックの基本的な考え方です。
補聴器を使用する方の耳の状態、使用環境やお手入れの頻度・方法によって、3年程度で買い替えが必要になることもあれば、10年以上使い続けている方もいらっしゃいます。
補聴器の寿命(耐用年数)は使い方やメンテナンスによって変化する
補聴器の寿命(耐用年数)は、以下のような要因によって変化します。
・使用環境:汗や湿気、ほこりの多い環境で使用すると、故障のリスクが高まります。
・お手入れ方法: 正しい方法でこまめにお手入れすることで、寿命を延ばすことができます。
・保管方法:使用しないときは、乾燥剤を入れたケースに保管するなど、適切な方法で保管しましょう。
・衝撃:落下などによる衝撃は、故障の原因になります。
・汗:汗は補聴器の内部に浸入し、故障の原因となります。特に夏場や運動時は注意が必要です。
・耳垢:耳垢は補聴器のマイクを詰まらせたり、レシーバーを痛めて音質の低下や故障の原因になるため、定期的な清掃が必要です。
・湿気:湿気は補聴器の内部にカビやサビを発生させたり、金属部分を腐食させたりする原因になります。
・補聴器の種類:耳あな型補聴器は、耳かけ型補聴器に比べて寿命が短い傾向があります。使用していて少しでもおかしいなと思ったら、すぐに購入したお店に相談に行きましょう。
・製造年月日:補聴器にも製造年月日があり、古いものは部品の劣化が進んでいる可能性があります。また、メーカーでも修理対応が終わっている可能性もあります。
これらの要因に加えて、定期的な点検や修理を受けることも、補聴器を長持ちさせるためには重要です。長くても3か月に一度は購入した店舗での定期メンテナンスを推奨します。
買い替えを検討するきっかけは?
補聴器は、適切なケアを行えば長く使用できますが、いずれは買い替えが必要になります。
買い替えのタイミングを見逃すと、聴こえの悪化や生活の質の低下につながる可能性があります。では、補聴器の買い替え時期はどのように判断すれば良いのでしょうか?具体的な買い替え時期のサインとしては、以下のようなものがあります。
【聞こえに関するサイン】
音が以前より聞こえづらくなった
ハウリングが起こりやすくなった
雑音が気になるようになった
音割れがする
片耳だけ聞こえにくい
【補聴器本体に関するサイン】
目に見える破損や劣化
電池の消耗が早い
故障が多い
古い器種を使っている
メーカーのサポートが終了している
これらのサインに一つでも当てはまる場合は、買い替えを検討する必要があるかもしれません。特に、聞こえに関するサインは、日常生活の中で感じる微妙な変化から現れることがあります。「あれ?」「なんだかおかしいな?」と感じたら、放置せずに補聴器販売店に相談することをおすすめします。補聴器の買い替えは、聞こえの改善だけでなく、生活の質の向上にもつながります。
補聴器を長持ちさせるコツ
補聴器は精密機器であるため、丁寧な取り扱いが大切です。正しく使用し、適切なメンテナンスを行うことでより長く快適に使用することができます。ここでは、補聴器を長持ちさせるためのコツを4つ紹介します。
1. 未使用時は乾燥させるためにケースに保管
使用していない時は、付属の乾燥ケースに保管して頂き、使用後に汗や汚れが付着している場合は専用のクロスやティッシュ、市販のアルコールティッシュでこまめに拭き取ってください。常に清潔な状態を保つ事が長持ちの秘訣です。
2. 毎日のケア
毎日のケアとして、以下の点に注意しましょう。
・使用後は柔らかい布で拭く: 汗や皮脂を拭き取り、清潔な状態を保ちます。
・耳垢を取り除く: 耳垢は、専用のブラシやクリーニングツールを使って丁寧に除去します。
・乾燥剤を入れたケースに保管する: 湿気は補聴器の大敵です。使用しない時は、乾燥剤を入れたケースに保管しましょう。
・水気や湿気に注意する: 水に濡らさないように注意し、湿気の多い場所での使用は避けましょう。
・強い衝撃を与えない: 落下させたり、ぶつけたりしないように注意しましょう。
3. 定期的なメンテナンス
毎日のケアに加えて、購入店での定期的なメンテナンスも重要です。
・販売店での点検: 3ヶ月に一度は、販売店に補聴器の点検を依頼しましょう。
・真空乾燥: 販売店では、専門の機器を使ったクリーニングを受けることができます。
・部品交換: 乾燥剤、フィルターやチューブなどの消耗品は、定期的に交換しましょう。
4. その他の注意点
・電池の正しい使い方: 電池のプラスマイナスを正しくセットし、補聴器を使用しない時は電池蓋を開けておきましょう。
・高温多湿を避ける: 高温多湿の場所に放置すると、故障の原因になります。
・ペットや子供の手の届かない場所に保管する: 誤飲や破損を防ぐために、保管場所に注意しましょう。
補聴器を長持ちさせるためには、毎日のケアと定期的なメンテナンスが重要です。上記のポイントを参考に、補聴器を大切に扱いましょう。
補聴器の保証期間とは?
補聴器を購入する際、保証期間について確認しておきましょう。保証期間は、メーカーや販売店によって異なりますが、一般的には1年~3年程度です。保証期間内であれば、自然故障や初期不良の場合、無償で修理や交換を受けることができます。ただし、保証期間内であっても、以下の場合は有償となることがあります。
・落下や水没など、使用者の不注意による故障
・火災や地震などの天災による故障
・改造や修理を自分で行った場合の故障
・消耗品の交換(イヤーモールド、チューブ、電池など)
保証期間が過ぎた場合は、修理や交換が有償となります。修理費用は、故障の内容や器種によって異なりますが、数千円から数万円かかることもあります。高額な修理費用を避けるためにも、日頃から補聴器を丁寧に扱い、定期的なメンテナンスを受けることが大切です。また、補聴器を購入する際は、保証内容をよく確認しておきましょう。
最後に
ヒヤリングストアでは故障のリスクが少ない耳かけタイプはもちろん、取り扱いやお手入れは大変ですが、見せないサイズの超小型耳穴補聴器まで、様々な器種をとりそろえております。ご相談だけでも構いませんので、お気軽にご来店くださいませ。
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