耳の聞こえが衰えてくると、生活の様々な場面で「あれ?」と思うことが増えてきます。
今回は、難聴の方によくある状況を9つ挙げてみました。皆さんは何項目当てはまるでしょうか?
1. テレビの音量が大きくてうるさいと家族に言われる
本人にとっては聴きやすい音にリモコンで調整しただけなのに、家族が帰ってくるやいなや、「ちょっと!テレビの音が大きすぎるよ!」と言われたことはありませんか?
難聴になると、周囲の人よりも大きな音量でないとしっかり聞こえないので、無意識にリモコンで音量をあげているのです。
2. バラエティ番組やドラマのセリフがよく聞き取れない
難聴の方がよく言われるのがこのフレーズです。
ニュースであれば、発声の訓練されたアナウンサーが聞き取りやすく話をしています。顔や表情も見えます。余計なBGMもありません。また、テロップや字幕が出ることも多く、馴染みのない単語や大事な要点が文字でわかります。
しかし、バラエティ番組やドラマはその逆です。
難聴になると、以下の言葉や会話が聞き取りづらくなります。
- 口元がはっきりしない発音
- 顔や表情が見えない会話
- 早口
- BGMや背景音に埋もれた会話
- 複数の人が一度におしゃべりしている会話
- よく知らない単語
- 状況や場面が急に変わって推測しにくい場面での言葉
こうしてみると、バラエティ番組やドラマが難聴の方にとってどれだけ聞きにくいか分かると思います。
3. 電話の呼び出し音に気づかなかった
「まさか」と思うかもしれませんが、難聴が進むとこういった類のお知らせ音が聞き取りづらくなります。他にもよく言われるのは、
- 電子レンジのチン音
- お風呂が沸いた時のメロディ
- 電子体温計の音
などがあります。
難聴の度合いが軽ければ、だいたいは聞きとれるようですが、離れた部屋にいた、違う階にいた、といった場合は聞き逃しもあるようです。
4. 家にいたはずなのに、ポストに「不在連絡票」が入っていた
これも先ほどの電話パターンと同様です。インターホンの呼び出しに気づかず、相手に留守と思われていたといったことは宅配便に限らず、ご近所さんからも指摘されるかもしれません。
5. 電話に出ても出だしが聞こえにくい
電話に出た時、相手が「こちら〇〇です。」と名乗っているのに名前が聞き取りづらい……。そんなことはありませんか?難聴になると、必要な音情報が十分に入らないため、特に馴染みのない固有名詞などは推測しにくく、一回では聞き取れないことがあります。
6. 電話で早口に言われると特にわからない
携帯電話やスマートフォンなど、最近の電話の音質は随分クリアになり、聞き取りやすくなりました。しかし、早口は耳で音を聞き取る能力だけではなく、早口を分析できる脳の力が必要なため、特に年齢による聴力の低下があると聞き取りにくくなります。
セールスや勧誘など、知らない人からの電話は聴き慣れない声ですから、より聞き取りづらくなります。電話では表情や顔、口の動きがわからないため、早口の理解がますます難しくなります。
7. 家族や親戚、友人の集まりで会話していても、内容が分からず聞き流している
1対1で顔を見ながら話す分にはいいものの、人がたくさん集まる場所では、いろんな方向に話が飛び交い、近い人、離れたところにいる人、それぞれ違った話し方によって、聞きとれる言葉もまちまちになります。
「みんなは楽しそうに話をしているけど、私はいまいちわからない、推測するにも限界があるなぁ」「でも、ここで聞き返して話の腰を折りたくない、雰囲気を壊したくないから、とりあえずニコニコして話を聞いたふりをしておこう」と思う方も多いようです。
8. 会話の中で聞き返しが増えた
たわいもない話であれば、聞き流してしまうことも時にはあるでしょう。しかし、大事な話であればそういうわけにはいきません。病院の診察を受けている時、大事な契約や約束についての話など、聞き逃すわけにはいかないときは、やはり聞き返さなければならないときもあると思います。
話し手が配慮できる方であれば、聞き返したときにはゆっくりはっきり話してくれ、わかりやすい表現に変えて話をし直してくれる場合もありますが、全ての人にそれを期待するのも難しいでしょう。
9. 自分に対して話しかけてくる人がなんだか怒っているように見える
「なんだか最近、家族が怒ったように話しかけてくるのだけど、何か悪いことでもしたのかな……。」そんな風に思うことはありませんか?もしかすると、それはあなたが難聴になりつつあるサインかもしれません。
家族は、怒っているのではなく、一生懸命話をしようとしているだけかもしれません。どうも自分の話が聞こえていなそうだな?と思うからこそ、大きめの声を出し、口調を強め、理解を促そうとしている可能性があります。
視力よりも低下に気づきにくい聴力
視力に比べて、聴力は低下を自覚しにくく、自身では気付きにくいという傾向があります。
視力の場合、悪くなったとしても、見えない対象の存在、ぼんやりとそこにあること自体は把握しやすく、「あ、私はこれがあんまりよく見えていないのだなぁ」と気づくことができます。しかし、聴力に関してはそういうわけにはいかないのです。聴こえないということは、存在自体に気づけないということ。何かが音を出している、ということにも気づきにくく、「聞こえていなければ、その人にとっては存在していない」という状態です。
自分ではなかなか気づくことが難しいため、自覚症状が出にくいのが難聴の厄介なところ。もし少しでも自覚症状があるのなら、早めに耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。
最近では、難聴と鬱や、難聴と認知症の関係についてもよく取り上げられるようになりました。詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
また、難聴に対して補聴器を使うことによって、このような生活の不便さを少しでも解消できる可能性があります。ヒヤリングストアでも購入前のカウンセリングはしっかり行っていますので、ぜひご相談ください。