ローディング

2017.10.12

補聴器の電池交換時期は?~電池の種類や交換方法~

補聴器に使われる電池とは

補聴器は耳に装着するもの。本体が小型ですから、電源も当然、非常に小さい電池です。最近は充電式の補聴器も増えてきましたが、まだまだ市場では電池式の補聴器が多数を占めています。

補聴器に使用する電池は「空気亜鉛電池」というもので、略して「空気電池」とも呼ばれます。見た目はボタン電池に似ているため、間違って購入してしまった、という方もいらっしゃるようです。

空気亜鉛電池の種類には次の4種類があります。

  • PR536 (10A)
  • PR41 (312)
  • PR48 (13)
  • PR44 (675)

これらの空気亜鉛電池は、それぞれサイズが違います。
現在ご利用の補聴器に適合するものを使用してください。

補聴器の電池の寿命は?

言うまでもなく、電池には寿命があります。そして、寿命は電池のサイズ、補聴器の機種、使用頻度などによって変わってきます。仮に寿命が100時間の電池があり、毎日10時間使用すると、10日で発電は終了します。電池切れで補聴器が聞こえなくなってしまうとたいへん不便です。新しい電池を入れる際は、その電池がどのくらい保つか想定しておき、次の電池を手元に用意しておくようにしましょう。

空気亜鉛電池は購入時にシールが貼られています。このシールの部分には小さな穴が開いていて、そこから空気(酸素)を取り込んで発電する仕組みになっています。すなわち、シールをはがしてしまうと、補聴器を使用していなくてもそのまま放電し続けます。しばらく補聴器を使用しなかったにもかかわらず電池がなくなることがあるのはそのせいです。新しい電池のシールをはがしたら、なるべく補聴器を使い続け、電池を使い切る習慣をつけましょう。

電池の取り扱いについての注意

空気孔をふさがないこと

空気亜鉛電池を使用する上で特に注意しておきたいことがあります。シールをはがした部分に、もういちどシールを貼って放電を止めようとする方がいらっしゃいますが、これはやめましょう。一度はじまった放電は、空気孔をふさいでも止まりません。また、補聴器用の電池は出力が大きいため空気孔も大きめになっていますが、ここを何かでふさいでしまうと空気が取り込めなくなり、発電しなくなる可能性があります。さらに、電池が正しく放電しなくなるなど、思わぬトラブルにつながることもあります。空気孔は絶対にふさがないようにしましょう。

二酸化炭素を避ける

空気中の二酸化炭素は、石油ストーブ、ガスストーブ、車の排気ガスなどの影響で増加することがあります。補聴器の空気亜鉛電池は二酸化炭素に非常に弱く、取り込むと発電性能が低下し、電池寿命が短くなります。冬に石油やガスのストーブを使って換気せずにいると、空気中の二酸化炭素が増え、電池寿命を縮めてしまうことがあるので注意しましょう。室内では適度な喚起をたびたびおこなってください。また車の排気には近寄らないようにしましょう。

寒冷地では発電性能が低下

空気亜鉛電池は寒冷地で発電性能が低下します。適正温度は20度とされており、気温が5度以下で使用すると電池寿命が短くなる傾向があります。寒いところで使用する場合は、なるべく電池が冷えないようにします。それでも補聴器の場合は耳や頭部に接して装着するため、体温によりある程度の温度が維持できますので、使用する前に温めれば問題なく使用できます。

夏の汗で電池ショート

補聴器の電池は夏の暑さによる汗でショートすることがあります。これは補聴器の電池に汗が流れ込み、プラス極とマイナス極が通電してしまうことで起きます。ショートした電池は、発熱する、膨張する、液漏れする、電気を浪費するなどの症状を起こします。補聴器の電池は非常に小さいにもかかわらず、容量が大きく、安定した電圧を維持しています。またプラス極とマイナス極が近くにあるというリスクがあり、汗が流れ込むとショートして誤作動しやすいのはそのためです。対策としては補聴器に汗が入らないように配慮し、もし汗が流れ込んだら早めに拭いて取り除くようにするとよいでしょう。以前から耳掛け型補聴器には汗カバーがあります。最近では本体そのものが防水タイプのものも増えているので安心して使えるようになってきました。

おすすめの電池

国内外のメーカーが、多種多彩な空気亜鉛電池を販売しています。売場で見ると、値段が高いもの、安いものなどいろいろです。補聴器にはどの電池を使用するべきでしょうか。

国産では電池専門総合企業の「株式会社ネクセル」が知られています。ネクセルはかつて電池を生産していた東芝の工場を買収したメーカーで、国産のトップブランドです。海外ではドイツの「パワーワン」が圧倒的なシェアを持ち、消費者から支持されています。パワーワンの電池は高品質、信頼性、長い寿命をモットーに、特許を取得した特殊技術で安定した電圧を実現しています。電池は完全密封され、消費者のもとに届きます。

補聴器の電池として使用するのであれば、ネクセルかパワーワンの空気亜鉛電池を試してみてはいかがでしょうか。購入する際は電池の使用期限を確認し、なるべく新しいものを選びましょう。通販や量販店などで安売りしている商品には使用期限が迫っているものもありますので要注意です。

電池の交換方法

補聴器の機種によっても違いがありますが、一般的な電池交換は中型の耳掛け型補聴器ではおおむね2週間に1回程度になります。交換方法は次のようなステップで簡単です。

  • 電池のプラス面に貼ってあるシールをはがす
  • そのまま数十秒待ってから補聴器に補填する

電池の交換方法はとても簡単ですが、取り扱い上の注意点がいくつかあります。電池を扱う際には、以下の点に注意してください。

  1. シールをはがした部分に小さな空気孔があります。この穴を指の汚れやほこりでふさいでしまうと空気(酸素)が取り込めず、発電しなくなってしまいます。絶対にふさがないようにしましょう。
  2. 一度シールをはがすと放電がはじまり、もう止めることはできません。そのまま使い切るようにしましょう。
  3. 空気亜鉛電池の使用推奨期限は製造後2年間です。電池がなくなった時の備えは必要ですが、大量に購入しすぎて使用推奨期限が近くなることは避けましょう。
  4. 補聴器を長期間使用しない場合は、必ず電池を外しておきましょう。
  5. 空気亜鉛電池は乾燥と二酸化炭素に弱いため、補聴器を乾燥器やシリカゲル入り乾燥ケースに収納するときは、電池を取り外すようにしましょう。

 

バナー

おすすめ記事

2019.8.23

2019.8.23

補聴器は認知症に有効か?難聴と認知症、補聴器の関連について

2019.8.30

2019.8.30

『買って終わり』じゃない!補聴器を上手に使いこなすために必要な「トレーニング」とは?

2020.1.30

2020.1.30

世界の補聴器6大メーカー情報(2019年度版)